[tomoyo-users 953] 卒業

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Toshiharu Harada harad****@gmail*****
2012年 3月 31日 (土) 22:52:06 JST


今日は3月31日、あと数時間で新しい年度が始まります。
卒業、進学、就職、あるいは社会人の方は異動、転勤等で明日から
新しい生活を始める方も多いかと思います。
時間は実際には切れめなく流れるものですが、こうした区切りは
とかく時間に流されがちな生活の中、過ぎたことを振り返る
良い機会かもしれません。
TOMOYO Linuxもまた、ひとつの区切りを迎えました。

TOMOYO Linuxのプロジェクトのプロジェクトのあゆみを
振り返ってみたいと思います。

取り組みの始まりから、オープンソース公開まで。
http://www.slideshare.net/haradats/tomoyo-linux

使いこなせて安全なLinuxを求めて。
http://www.slideshare.net/haradats/linux-2508451

メインライン挑戦のきっかけから、OLS2008直前まで。
http://www.slideshare.net/haradats/realities-of-mainlining-case-of-the-tomoyo-linux-project

「MACの議論を振り返ろう」と言いつつパス名MACのアピールをしたOLS2008
http://www.slideshare.net/haradats/time-to-glean-mac-for-linux-history-and-the-future

メインライン化達成
http://sourceforge.jp/projects/tomoyo/wiki/ThankYou

メインライン化の経験を振り返る形で、関係者に感謝したJLS2009
http://www.slideshare.net/haradats/kernel-development-drawing-lessons-from-mistakes

企業でオープンソースのプロジェクトマネージャをするというのはどういうことか?
http://www.slideshare.net/haradats/what-does-it-mean-being-an-open-source-project-manager-in-enterprise-open-source-spirit-edition

"Secure Linux"入門
http://www.slideshare.net/haradats/your-first-guide-to-secure-linux-4906031

はてなダイアリーの記事長制限で追加できなくなるほどいろいろ活動しました。
http://tomoyo.sourceforge.jp/hatena/

2chもやってました。
http://tomoyo.sourceforge.jp/2ch/thread-1.txt

プロジェクト運営に関する考え方は、あまり変わっていません。
http://sourceforge.jp/projects/sourceforge/wiki/potm_0707_tomoyolinux

TOMOYO Linuxのプロジェクト(最初は名前もついてませんでしたが)は、
2003年の春、それまで事業部門で放送関連の仕事をしていた私が、当時茅場町にあった
NTTデータの技術開発本部に異動になり、オープンソース関連の活動を
することになったことから始まりました(最初のスライドの内容そのままです)。
その異動先にたまたまいたのが半田さんだったわけです。
メインライン化前後では、武田君と沼口君もメンバーに加わりましたが、
最初からずっと変わらず参加していたのは、半田さんと私になります。

私事ですが、4月より私はNTTデータ先端技術株式会社に出向することに
なりました。これに伴い、(TOMOYO Linux以前より)BPとして、NTTデータで
作業していた半田さんも長年のNTTデータでの作業を終えることになりました。

TOMOYO Linuxの提供やサポート、ホームページやメーリングリストなどを
含めたプロジェクトの運用は、これで終わることになりませんが(笑)
一応ひとつの区切りであり、NTTデータの活動として生まれたTOMOYO Linuxという
プロジェクトが卒業する、と言っても良いかと思います。

以前メーリングリストで報告したように、今年度TOMOYO LinuxのAndroid適用を
受託し、その製品が世に出ています。それは、あまりにささやかかもしれませんが、
私にとってはTOMOYO Linuxを育ててくれたNTTデータへの恩返しとして、
とても重要でうれしいマイルストンでした。

事業への貢献以外に、実現したかったことがあります。それは、TOMOYO Linuxに
ついて、記録を残すことです。「ソースコードがオープンなのに?」と
思われるかもしれませんが、ソースコードを読んでも、どうして、何を考えて、
そのプログラムを書いたかということ、その思想やコードに至るまでの
試行錯誤はわからないはずです。それは、1時間のセッションでも伝えられません。
それを表現する様式はやはり論文なのかと思います。この一年間、
TOMOYO Linuxについて説明することに取り組んできました。一年間、
(ポリテクセンタのセミナーを除き)対外的なイベントに参加せず、この
メーリングリストの書き込みも少なかったのはそのためです。メインライン化とは
違った意味で難しい作業でした。「TOMOYO Linuxとは何だろう」ということを
ずっと考えていました。ソースコードや取り組みの記録の他に、日本語と英語で、
TOMOYO Linuxとは何かを残し、共有したいと思っています。

正直に言うと、私は自分の役割はメインラインに入れるところまでと
思っていました。「企業でオープンソースのプロジェクトマネージャをすると
いうのはどういうことか?」のスライドで、切り離された燃料が宇宙に
消えていく場面がありますが、「標準に搭載されたら、あとは内容次第」と
思っていたわけです。そう思ったからこそ、「マネージャとして、お世話になった
人々やコミュニティに恩返しをしたい。自分にできることは?」と考えて
行ったのが、LinuxCon2009, LinuxCon2010の講演だったわけです。

でも、今はもっと続きそうだと思っています(笑)。

ということで(こんな表現は論文ではNGです)、TOMOYO Linuxは
NTTデータを卒業して、新しいステージを歩み始めることになりました。
ここまで続けて来られたことを本当に幸せだと思います。
どうもありがとうございました。

これからもよろしくお願いします。(_ _)

-- 
Toshiharu Harada
harad****@gmail*****




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