Tetsuo Handa
from-****@I-lov*****
2015年 4月 21日 (火) 23:14:17 JST
熊猫です。 熊猫と原田さんは、2012年4月から2015年3月までの3年間、NTT オープンソースソフトウェアセンタで RHEL システムのトラブルシューティングに 従事してきました。熊猫は主に Linux カーネルに起因したトラブル、特にカーネル パニックや予期せぬ再起動/フリーズなどを扱ってきました。熊猫は TOMOYO や AKARI や CaitSith の開発を通じてカーネル開発の経験があったので、カーネルの 不具合事象を再現させたり、情報を収集したりするための、ちょっとしたプログラムを いろいろと作成しました。その経験は http://www.intellilink.co.jp/article/column/oss/index.html や http://kumaneko-sakura.sblo.jp/category/34567-1.html に纏められています。 今月から私たちはNTTデータ先端技術株式会社で働いており、OSSの セキュリティに関する何かに従事する予定です。毎日ずっと締切に追われ続ける ことによるストレスから解放されたので、熊猫は TOMOYO や AKARI や CaitSith の 開発を再開することができました。 そして今日、ポリシーエディタの使い勝手向上といくつかの不具合修正を含んだ、 ccs-patch 1.8.3p10 と ccs-tools 1.8.3p9 をアップロードしました。 (1) 最適化コマンドである o キーが、今までは Domain Policy Editor 画面の use_group 行に対しては機能していませんでしたが、その番号で参照される acl_group に含まれている各行に対して o キーを繰り返したかのように 動作するようになりました。 (2) (説明されていませんでしたが) TAB キーが、今までは Exception Policy Editor 画面と Domain Transition Editor 画面との間を切り替えるように なっていましたが、例えば Exception Policy Editor 画面から Domain Policy Editor 画面へのように、直前の画面へと切り替えるように変更されました。 (3) o キーが、今までは task.uid=0 などの条件が付いたエントリに対しては機能 していませんでしたが、条件が付いていないエントリに対して o キーを押すと 条件が付いた同じエントリが選択されるようになりました。 これらの変更は、最適化コマンドを使用する際のキー入力の量を削減するのに 役立つと考えます。 また、複数の acl_group を参照できるようにするための(現在の trunk/1.8.x/ に 対する)差分パッチが http://sourceforge.jp/projects/tomoyo/scm/svn/blobs/6407/branches/diff-1.8.4.txt にあります。現状では各ドメインは1個しか use_group 行を指定できませんが、 このパッチを適用すると256個まで use_group 行を指定できるようになります。 これにより、用途ごとに acl_group を定義し、ドメインから複数指定することにより、 ポリシーの重複を削減することができるようになります。このパッチを適用後の ドメインポリシーは以下のような感じになります。 <kernel> /path/to/app1 use_profile 3 use_group 0 use_group 1 file read /path/to/file1 file write /path/to/file1 <kernel> /path/to/app2 use_profile 3 use_group 0 use_group 2 use_group 3 file read /path/to/file2 <kernel> /path/to/app3 use_profile 3 use_group 0 use_group 4 file execute /path/to/file3 番号ではなく名前で acl_group を指定できるようにすることを考えていたのですが、 プロファイル番号と同様、コード量を削減するために番号で指定する方法に なっています。 TOMOYO 1.8.x 内での互換性の理由から、ホワイトリスト方式のみの対応となって います。もし、ブラックリスト方式が必要なのであれば、 CaitSith の方が 適しているかもしれません。 上述した内容で要望に沿えるのであれば、これを TOMOYO 1.8.4 としてリリース したいと考えます。