長南洋一
cyoic****@maple*****
2011年 1月 10日 (月) 17:29:54 JST
長南です。 元木さんのメールより [JM:00097] > > > .\"O .P > > .\"O The POSIX standard specifies parentheses `(', `)', negation `!' and the > > .\"O `and' and `or' operators ( > > .\"O .BR \-a , > > .\"O .BR \-o ). > > .P > > POSIX 標準は、カッコ `(', `)'、否定 `!'、それに and と or 演算子 ( > > .BR \-a , > > .BR \-o ) > > を規定している。 > > .RB ( \-a , > > と記載した方が整形後にきれいに見えます。 これは、困っているのです。前に教えていただいたので、「.RB ( \-a ,」 としました。そうしたら、コンマだけがボールドになってしまったのです。 「.RBR ( \-a ,」という書き方は無効のようです。「(\fB\-a\fR,」なら、 期待どおりの表示になるのですが、そこまでスタイルを変えることも ないだろうと思って、原文のままにしておきました。 「(\fB\-a\fR, \fB\-o\fR)」にしてしまいましょうか。 > > .IP LC_CTYPE > > この環境変数は、正規表現で使用される文字クラスの扱いに影響するだけでなく、 > > システムの > > .BR fnmatch (3) > > ライブラリ関数がこの変数に対応している場合は、判別式 > > .B \-name > > の使用にともなう文字クラスの扱いにも影響を及ぼす。また、この変数は、 > > 「〜だけでなく」の部分が LC_CTYPE のメインの機能なので、 > 「A だけでなく、B である」よりも、「A である。また、B である」 > のようにした方が分かりやすいかもしれません。 「また」を三つ続けるのがいやで、「だけでなく」を使ったのですが、 それだけの理由なら、最初の「また」を省略してしまえばよいことに 気づきました。こんな具合です。 LC_CTYPE この環境変数は、正規表現で使用される文字クラスの扱いに 影響する。システムの fnmatch(3) ライブラリ関数がこの変数に 対応している場合は 、判別式 -name の使用にともなう文字クラスの 扱いにも影響を及ぼす。また、この変数は、アクション -ok が出す プロンプトに対して ユーザが応答する際に、諾否の判断に使用される 正規表現の文字クラスの解釈にも関係する。さらにまた、環境変数 LC_CTYPE は、ファイル名が表示されるとき、どの文字を表示不可能 (unprintable) と見なすかにもかかわることになる。「変わり者の ファイル名」セクションを参照してほしい。 > > 以下のようなプロジェクトのディレクトリとそれに関連する > > SCM (訳注: ソースコード管理システム) の管理用ディレクトリがある場合に、 > > プロジェクトのルートを効率的に検索する。 > > SCM は source code management なので、 > 「システム」は不要かもしれません。 あった方が、「ああ、いわゆるバージョン管理システムのことだな」 とわかりやすいかと思ったので。 > 「訳注」までは書かず「SCM (ソースコード管理システム)」でも > いいかなと感じました。 ええ、「訳注」は取りましょう。 > > .\"O .SH "HISTORY" > > [...] > > > .TS > > l l l . > > Feature Added in Also occurs in > > ここも訳しておいた方が分かりやすいかなと思います。 日本語にすると、表があまりきれいに見えないないということが ありまして ……。 機能 採用 この機能を持つ他の find -newerXY 4.3.3 BSD -D 4.3.1 -O 4.3.1 それと、どう訳すかです。上のように、「機能、採用 (追加)、 この機能を持つ他の find」というのを考えましたが、いまいちな 気がします。とくに、POSIX は規格にすぎないということもあって、 「Also occurs in」が難しい。何かよい案はないでしょうか。 > > .\"O .SH "BUGS" > > .\"O .P > > .\"O There are security problems inherent in the behaviour that the POSIX > > .\"O standard specifies for > > .\"O .BR find , > > .\"O which therefore cannot be fixed. For example, the > > .\"O .B \-exec > > .\"O action is > > .\"O inherently insecure, and > > .\"O .B \-execdir > > .\"O should be used instead. > > .\"O Please see \fBFinding Files\fP for more information. > > .SH "バグ" > > .P > > POSIX 標準が > > .B find > > について規定している動作にはセキュリティ上の問題があるが、 > > それはその動作に本来伴っているものなので、修正することができない。 > > セキュリティ上の問題が「本来伴う」という言い方が少しピンと来ませんでした。 > 「その動作自体が持つ問題」とか「その動作自体に内在する問題」くらいでしょうか。 たしかに、「その動作に本来伴う」はピンボケかもしれません。 でも、わたしとしては、「内在する」よりも、「伴う、付随する」と 言いたいのです。そこで、元木さんの試訳から「自体」を頂戴して、 こんなのはどうでしょう。 POSIX 標準が find について規定している動作にはセキュリティ上の 問題があるが、それはその動作自体に付随するものなので、修正する ことができない。 「切り離せない」とか「表裏の関係にある」とかも考えましたけれど。 自分の訳にまだ未練があるだけかもしれません。反論を期待します。 ついでに、ちょっと無駄話。 年末に久しぶりに神田に行きました。三省堂に O'REILLY の 「UNIX パワーツール」があったので、find の項を見たところ、 本マニュアルで predicate と言っているものを、「演算子」と 訳していました。こうなると、原書が見たい。三省堂、書泉、 日本橋と丸の内の丸善、どこに行っても、原書がありません。 コンピュータ関係の洋書の棚は、どこもひどいものでした。 みんな、amazon で買うようになってしまったからでしょうか。 結局、Web で原書の全文を見つけましたが、そこでは operator に なっていました。元木さんは、このへんのことを憶えていらっしゃった のでしょうか。 ちなみに、「新 The UNIX SUPER TEXT」では、predicate はたしか 「検索条件」でした。わたしの記憶では、「UNIX パワーツール」も 「新 The UNIX SUPER TEXT」も、オプション、テスト、アクションを 区別していなかったと思います。 「新 The UNIX SUPER TEXT」を見て思ったのですが、tests は 「判別式」より、「検索式」「条件式」「検査式」などの方が、 やはりよいのではないでしょうか。今までの訳を変更して、 読者を混乱させない方がよいとも考えますけれど。 -- 長南洋一