<STATUS> stat: DP ppkg: util-linux page: blkid.8 date: 2020/09/09 mail: cyoic****@maple***** name: Chonan Yoichi </STATUS> wipefs.8 に libblkid のことが何度も出てくるので、これも訳しておきます。 これは分からないことが多くて、困っています。ほとんどすべて分からないと言っても いいくらいなので、質問していったら切りがないのですが、特に気になる箇所を だらだらと挙げてみます。 ○ DESCRIPTION の字下げされているパラグラフ: ... blkid is mostly designed for system services and to test libblkid functionality. ... blkid の主な目的は、システムサービスで使用することと、libblkid の 機能をテストすることなのである。 直訳すれば、「blkid は、主としてシステムサービスのために、及び libblkid の機能をテストするために作られている」です。 lsblk が一般ユーザの日常的な使用を目的にしているのに対して、 blkid はそういうものではない、ということでしょうが、"system services" というのは、具体的には、何を言っているのでしょう。システムサービス と言って、すぐ思い浮かぶのは、メールサーバとか、HTTP サーバとか、 プリンティングとか、要するにシステムがユーザに提供している諸機能ですが、 blkid はそういったものとどんな関係があるんでしょうか。 ○ DESCRIPTION の最後のパラフラフ: It's recommended to use wipefs(8) to get a detailed overview and to erase obsolete stuff (magic strings) from the device. "a detailed overview" は、普通に訳せば、「詳細な概観、詳しい全体像」 ですが、概観とか概要とか全体像というのは、本来大雑把なものでしょう。 「詳しい、詳細な」を付けるのは、矛盾形容じゃないでしょうか。 なお、"to get a detailed overview ...(省略)... from the device" と読んでよいものかどうか。 ○ -l, --list-one: ... If there are multiple devices that match the specified search parameter, then the device with the highest priority is returned, and/or the first device found at a given priority (but see below note about udev). この "and/or" がわかりません。「どちらか、または両方」というのが、 普通の読み方でしょう。でも、「優先順位が一番高いものか、ある優先順位に おいて先に見つかった方、あるいは両方」とすると、--list-one オプションは 検出結果をひとつだけ返すものなのに、二個返す場合もあるように読めてしまいます。 それではおかしい。そこで、私は and/or を無視しました。なお、優先順位の指定を ユーザがするわけではありませんから、ここの "at a given priority" は、 「ある所与の」、つまり「ある同一の優先順位」ということだと思います。 それで、私の訳は、 検索パラメータに一致するデバイスがいくつもあった場合には、最も優先順位が高い デバイスが報告され、同じ優先順位の中では、最初に見つかったデバイスが報告される "(but see below note about udev)" の "about udev" もよく分かりません。 まず、何故ここに "but" が来るのかが分からない。 "below note" というのは、定冠詞がないけれど、事実上すぐ次のパラグラフの ことなんだと思います。そこで言っていることも、よく分かっていませんが、 一応、訳注のようなことだと解釈しておきました。 ○ -L, --label label: ... This lookup method is able to reliably use /dev/disk/by-label udev symlinks (dependent on a setting in /etc/blkid.conf). ... ここで使われる検索メソッドでは、/dev/disk/by-label にある udev の シムリンクを信用して使用することができる (もっとも、/etc/blkid.conf の 設定次第だが [訳注: SEND_UEVENT=<yes|not> の値次第ということ。それが yes ならば、必要に応じて現状が反映されるので、udev のシムリンクが信用できる ことになる。「設定ファイル」セクションを参照])。 "This lookup method" を「設定ファイル」セクションの EVALUATE=<methods> における udev メソッドのことだと解しました。大丈夫かな。 ○ -n, --match-types list と -u, --usages list: Restrict the probing functions to the specified (comma- separated) list of superblock types (names). 精査機能 (訳注: --probe を参照) の使用を、コンマ区切りのリスト list で 指定したスーパーブロックのタイプ (名前) に限定する。 "the probing functions" を --probe のときの動作と解しました (functions の s が気になるのですけれど)。--usage の訳も同じです。 間違っているかもしれません。 probes for vfat, ext3 and ext4 filesystems, 上のコマンドは、vfat, ext3, ext4 のファイルシステムに対して low-level 精査を行う (訳注: この場合なら、スーパーブロックの情報をいくつか 表示する)。 この probes という言葉も --probe の low-level probing という特別な 意味に取ったわけです。「vfat などを探し求める」という普通の解釈ではなく。 ○ -o, --output の udev: The udev output returns the ID_FS_AMBIVALENT tag if more superblocks are detected, ... この udev 出力フォーマットは、複数のスーパーブロックが検出された場合は、 ID_FS_AMBIVALENT というタグを返す。 スーパーブロックというのは、ファイルシステムに複数あるのものではないのですか。 としたら、この原文は何を言っているんでしょう。「内容の矛盾した複数のスーパー ブロック」ということなんでしょうか。「説明」セクションの最後のパラグラフの For security reasons blkid silently ignores all devices where the probing result is ambivalent (multiple colliding filesystems are detected). セキュリティ上の理由から、blkid は、検出結果に相反するものがある場合は (複数の相矛盾するファイルシステムが検出された場合などは)、 警告も出さず に、そうしたデバイスをすべて無視する。 と関係があるのでしょうけれど。 ○ -O, --offset: Probe at the given offset (only useful with --probe). This option can be used together with the --info option. 指定された offset 位置を調べる (--probe と一緒に使ったときのみ効果がある)。 このオプションは、--info と一緒に使うこともできる。 これは、何をやっているのか、どういう意味があるのか、さっぱり分かりません。 ○ -S, --size size: Override the size of device/file (only useful with --probe). デバイス/ファイルのサイズを変更する (--probe と一緒に使ったときのみ役に立つ)。 これも、意味不明です。device/file、特に file って何でしょうか。 -S を使うと、どの出力がどう変化するのでしょう。 ○ 「設定ファイル」セクションの EVALUATE=<methods>: EVALUATE=<methods> Defines LABEL and UUID evaluation method(s). Currently, the libblkid library supports the "udev" and "scan" methods. LABEL や UUID からデバイスを特定するためのメソッド (LABEL and UUID evaluation method) を指定する。現在のところ、libblkid ライ ブラリは、"udev" と "scan" という二つのメソッドをサポートしている。 これは、--list-one, --label, --uuid オプションなどの説明と関係する話だと 思います。それで、"LABEL and UUID evaluation methods" を「LABEL や UUID からデバイスを特定するためのメソッド」と訳したわけですが、evaluation をこう訳してよいかどうか、自信がありません。「評価」という訳語は、よく考えれば、 こういうのも評価と言えるんでしょうが、普通の日本語としては、ちょっと無理だと 思います。「割り出す、突き止める」なども考えましたが、少しずれているような。 もうちょっとピッタリした訳語がほしいのですが。 「メソッド」も、できたら日本語にしたいと思っています。しかし、「方法」では、 すぐ後に出てくる 'The "udev" method uses udev /dev/disk/by-* symlinks" を「"udev" 方法は ...」と訳しにくいし ... 何かよい案は ないでしょうか。 -- 長南洋一 -------------- next part -------------- テキスト形式以外の添付ファイルを保管しました... ファイル名: blkid-2.35.2.tar.gz 型: application/octet-stream サイズ: 21995 バイト 説明: 無し URL: <https://lists.osdn.me/mailman/archives/linuxjm-discuss/attachments/20200909/fbcb616b/attachment-0001.obj>