[JM:01837] [POST: DP] util-linux blkid.8

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長南洋一 cyoic****@maple*****
2020年 9月 9日 (水) 11:33:18 JST


<STATUS>
stat: DP
ppkg: util-linux
page: blkid.8
date: 2020/09/09
mail: cyoic****@maple*****
name: Chonan Yoichi
</STATUS>

wipefs.8 に libblkid のことが何度も出てくるので、これも訳しておきます。
これは分からないことが多くて、困っています。ほとんどすべて分からないと言っても
いいくらいなので、質問していったら切りがないのですが、特に気になる箇所を
だらだらと挙げてみます。

○ DESCRIPTION の字下げされているパラグラフ:

   ... blkid is mostly designed for system services and to test
   libblkid functionality.

   ... blkid の主な目的は、システムサービスで使用することと、libblkid の
   機能をテストすることなのである。
   
     直訳すれば、「blkid は、主としてシステムサービスのために、及び
     libblkid の機能をテストするために作られている」です。
     lsblk が一般ユーザの日常的な使用を目的にしているのに対して、
     blkid はそういうものではない、ということでしょうが、"system services"
     というのは、具体的には、何を言っているのでしょう。システムサービス
     と言って、すぐ思い浮かぶのは、メールサーバとか、HTTP サーバとか、
     プリンティングとか、要するにシステムがユーザに提供している諸機能ですが、
     blkid はそういったものとどんな関係があるんでしょうか。

○ DESCRIPTION の最後のパラフラフ:

   It's recommended to use wipefs(8) to get a detailed overview
   and to erase obsolete stuff (magic strings) from the device.

     "a detailed overview" は、普通に訳せば、「詳細な概観、詳しい全体像」
     ですが、概観とか概要とか全体像というのは、本来大雑把なものでしょう。
     「詳しい、詳細な」を付けるのは、矛盾形容じゃないでしょうか。

     なお、"to get a detailed overview ...(省略)... from the device"
     と読んでよいものかどうか。

○ -l, --list-one:

   ... If there are multiple devices that match the specified search
   parameter, then the device with the highest priority is returned,
   and/or the first device  found  at  a  given  priority
   (but see below note about udev).

     この "and/or" がわかりません。「どちらか、または両方」というのが、
     普通の読み方でしょう。でも、「優先順位が一番高いものか、ある優先順位に
     おいて先に見つかった方、あるいは両方」とすると、--list-one オプションは
     検出結果をひとつだけ返すものなのに、二個返す場合もあるように読めてしまいます。
     それではおかしい。そこで、私は and/or を無視しました。なお、優先順位の指定を
     ユーザがするわけではありませんから、ここの "at a given priority" は、
     「ある所与の」、つまり「ある同一の優先順位」ということだと思います。
     それで、私の訳は、

   検索パラメータに一致するデバイスがいくつもあった場合には、最も優先順位が高い
   デバイスが報告され、同じ優先順位の中では、最初に見つかったデバイスが報告される 

     "(but see below note about udev)" の "about udev" もよく分かりません。
     まず、何故ここに "but" が来るのかが分からない。

     "below note" というのは、定冠詞がないけれど、事実上すぐ次のパラグラフの
     ことなんだと思います。そこで言っていることも、よく分かっていませんが、
     一応、訳注のようなことだと解釈しておきました。

○ -L, --label label:

   ... This lookup method is able to reliably use /dev/disk/by-label
   udev symlinks (dependent  on  a  setting  in /etc/blkid.conf).

   ... ここで使われる検索メソッドでは、/dev/disk/by-label にある udev の
   シムリンクを信用して使用することができる  (もっとも、/etc/blkid.conf の
   設定次第だが [訳注: SEND_UEVENT=<yes|not> の値次第ということ。それが
   yes ならば、必要に応じて現状が反映されるので、udev  のシムリンクが信用できる
   ことになる。「設定ファイル」セクションを参照])。

     "This lookup method" を「設定ファイル」セクションの EVALUATE=<methods>
     における udev メソッドのことだと解しました。大丈夫かな。

○ -n, --match-types list と -u, --usages list:

   Restrict  the  probing  functions  to the specified (comma-
   separated) list of superblock types (names).

   精査機能 (訳注: --probe を参照) の使用を、コンマ区切りのリスト list で
   指定したスーパーブロックのタイプ (名前) に限定する。

     "the probing functions" を --probe のときの動作と解しました
     (functions の s が気になるのですけれど)。--usage の訳も同じです。
     間違っているかもしれません。

   probes for vfat, ext3 and ext4 filesystems,

   上のコマンドは、vfat,  ext3,   ext4   のファイルシステムに対して
   low-level 精査を行う (訳注: この場合なら、スーパーブロックの情報をいくつか
   表示する)。

     この probes という言葉も --probe の low-level probing という特別な
     意味に取ったわけです。「vfat などを探し求める」という普通の解釈ではなく。

○ -o, --output の udev:

   The  udev output returns the ID_FS_AMBIVALENT tag if more
   superblocks are detected, ...

   この udev 出力フォーマットは、複数のスーパーブロックが検出された場合は、
   ID_FS_AMBIVALENT  というタグを返す。

     スーパーブロックというのは、ファイルシステムに複数あるのものではないのですか。
     としたら、この原文は何を言っているんでしょう。「内容の矛盾した複数のスーパー
     ブロック」ということなんでしょうか。「説明」セクションの最後のパラグラフの

       For security reasons blkid silently ignores all devices
       where the probing result is ambivalent (multiple colliding
       filesystems are detected).

       セキュリティ上の理由から、blkid  は、検出結果に相反するものがある場合は
       (複数の相矛盾するファイルシステムが検出された場合などは)、 警告も出さず
       に、そうしたデバイスをすべて無視する。

     と関係があるのでしょうけれど。

○ -O, --offset:

   Probe  at  the  given  offset  (only useful with --probe).
   This option can be used together with the --info option.

   指定された offset 位置を調べる (--probe と一緒に使ったときのみ効果がある)。
   このオプションは、--info と一緒に使うこともできる。

     これは、何をやっているのか、どういう意味があるのか、さっぱり分かりません。

○ -S, --size size:

   Override the size of device/file (only useful with --probe).

   デバイス/ファイルのサイズを変更する  (--probe と一緒に使ったときのみ役に立つ)。

     これも、意味不明です。device/file、特に file って何でしょうか。
     -S を使うと、どの出力がどう変化するのでしょう。

○ 「設定ファイル」セクションの EVALUATE=<methods>:

   EVALUATE=<methods>
         Defines  LABEL  and  UUID  evaluation method(s).  Currently,
	 the libblkid library supports the "udev" and "scan"  methods.

         LABEL  や UUID からデバイスを特定するためのメソッド (LABEL and
         UUID evaluation method) を指定する。現在のところ、libblkid  ライ
         ブラリは、"udev" と "scan" という二つのメソッドをサポートしている。

     これは、--list-one, --label, --uuid オプションなどの説明と関係する話だと
     思います。それで、"LABEL and UUID evaluation methods" を「LABEL や
     UUID からデバイスを特定するためのメソッド」と訳したわけですが、evaluation
     をこう訳してよいかどうか、自信がありません。「評価」という訳語は、よく考えれば、
     こういうのも評価と言えるんでしょうが、普通の日本語としては、ちょっと無理だと
     思います。「割り出す、突き止める」なども考えましたが、少しずれているような。
     もうちょっとピッタリした訳語がほしいのですが。

     「メソッド」も、できたら日本語にしたいと思っています。しかし、「方法」では、
     すぐ後に出てくる 'The "udev" method uses udev /dev/disk/by-*
     symlinks" を「"udev" 方法は ...」と訳しにくいし ... 何かよい案は
     ないでしょうか。

-- 
長南洋一
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テキスト形式以外の添付ファイルを保管しました...
ファイル名: blkid-2.35.2.tar.gz
型:         application/octet-stream
サイズ:     21995 バイト
説明:       無し
URL:        <https://lists.osdn.me/mailman/archives/linuxjm-discuss/attachments/20200909/fbcb616b/attachment-0001.obj>


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