いいじまです。 > > 元の文章には > > > ただし、このマニュアル内で読みやすいように、 > > すこし手を加えたところもあります。ご了承ください。 > > とあります。これは一つ一つ「すこし手を加えた」の内容を確認して、 > > 極力、元通りのメッセージに戻すべきと考えます。 > > これは婉曲な言い方をしているのです。はっきり言うと、 > 意味が取りにくいとか誤訳とかいうことです。 ああ、なるほど。 ☆ ☆ ☆ > 二つほど例をあげます。 > > ○ --warning=KEYWORD の timestamp の説明。 > "%s: implausibly old time stamp %s" > こうなっていました。 > "%s: 恐らく古いタイムスタンプ %s" > もちろん、こうでしょう。 > "%s: あまりにも古いタイムスタンプ %s" 「implausibly」という単語を知らなかったので(少なくとも英検準1級、大学入試センター試験、東大や慶應の学部入試、といったレベルよりはワンランク上の単語です…それゆえ訳文もおかしくなっているのでしょう)、索いてみました: https://eow.alc.co.jp/search?q=implausible implausible [形] 信じ難い、本当らしくない、もっともらしくない、怪しい 内部動作としてはおそらく、タイムスタンプが32bitなり64bitなりのシリアル値で保存されていて、それが 1) 1970/01/01 00:00:00 UTC からの秒数(UNIX time)とみなして 解釈したときにマイナスになる 2) もっと古い日時が起点になっている場合には(例えばNTFSの 内部表現は1600/01/01が起点です)、コンピュータの誕生より 明らかに古い日時を示している といったケースを指しているのでしょう。(もしかしたらtarが検出するのは 1) だけかな?) 個人的には「あまりにも古い」では何がどう問題なのか伝わりにくいと考えるので、「古すぎて怪しいタイムスタンプ」とでもしたいところです。 あるいは、もし訳注をつけてもいいのであれば、time(7) へのポインタを書いた上で「紀元からの秒数がマイナスの値になっている」と明記したいところです。これはソースコードを読んで裏取りしないといけませんが。 ☆ ☆ ☆ > ○ --warning=KEYWORD の recode-size の説明。 > "Record size = %lu blocks" > メッセージカタログでは、 > "記録サイズ = %lu ブロック" > "recode size" というのは、tar で特別な意味を持つ用語です。 > ですから、「レコードサイズ」としておくべきでしょう。ついでに言うと、 > メセージカタログは、「レコードサイズ」と「記録サイズ」の両方を > 使っていました。 こちらは最近だと [JM:03622] xz.1 の訳(unseekable) でもよく似た誤訳が指摘されていましたね。原文中の一般名詞が「当該アプリで特別な意味を持つ術語」なのか、それともそのまま一般名詞として日本語に置き換えるべきなのか、の判断。 ☆ ☆ ☆ > 警告メッセージの一覧ですから、実際に出るメッセージと同じであるべきだと > いうのはわかっているのですが、さすがに誤訳などは変更せずにはいられませんでした。 難しいですね。 個人的には、 1) 日本語として分かりにくいだけで実害のないもの (今回のimplausibly oldなど)は一旦、原文のままスルー。 2) メッセージに問題があるもの(今回のrecord sizeなど)は、 メッセージの瑕疵を一時的にマニュアルで補うため、 訳注を付して対応。 3) 以上の対応により「マニュアルで引用するメッセージは すべて、tarのパッケージ自体に含まれる文言の通り」 という状況が達成されるので、山田さんのメッセージを 書き換えた旨のACKは不要になる。 4) 将来的には、後日余裕のあるときに、メッセージカタログの 原本を改訳すべく本家のtar開発チームにフィードバック。 という流れがスジかなと思います。 -- 飯嶋 浩光/でるもんた・いいじま @ PC IIJIMA Hiromitsu, aka Delmonta Email <delmo****@denno*****>