長南です。 matsuand さんのメール [JM:03662] より > > ここで気にかかる問題点は、すこし手を加えた、というところです。 > > ご説明の様子から、原著作者に使用の承諾を事前に得たものと推察 > しますが、そのときに加工することについても承諾を得ていますか? > > もし万が一、承諾を得ていなかったとしたら、 > 著作権法上で言う翻案権の侵害に該当します。 まず、次の三点を押さえておきたいと思います。 1. 日本の tar ユーザにとって manpage でも警告メッセージは日本語に なっていた方がよい。 2. tar を使ったときに実際に出る警告メッセージと、manpage の説明に ある警告メッセージは、できるだけ同文であるべきだ。 (だから、メッセージカタログの訳を使わずにはいられないわけです。) 3. しかし、実際に出る警告メッセージに誤訳があったら、さすがにそれは使えない。 本題に入ります。 使用について承諾を得ることはしていません。 メッセージカタログの警告メッセージを使用するのは、基本的に引用です。 ですから、そのまま使う場合は、引用元を明示しさえすれば、問題なく使えます。 そして、「手を入れる」ことについては、「ただし、このマニュアル内で 読みやすいように、すこし手を加えたところもあります。ご了承ください」 と断っています。メッセージカタログの翻訳者から何も言ってこなければ、 承知していると見なしておくことができますし、「承知しない」と抗議されたら、 「失礼しました」と言って、英語原文に戻せばすむわけです。厳密に言えば 穴があるでしょうが、実際上は、それで十分だと思います。 「俺の誤訳をよくも正しく直しやがったな」とねじ込んでくる人も、 まさかいないでしょうし。 なお、tar のメッセージカタログ ja.po には、「# This file is distributed under the same license as the tar package." と書いてありますから、 ライセンスは GPLv3 です。ですから、GPL における modification と考えても、 メッセージの文言の変更は可能でしょう。難しいのは、こういう一部の引用を 変更する場合、ライセンスの要求にどういう形で答えるかですが、独立した セクションを作って、「断り書き」を書いておくのは一つの行き方だろうと思います。 -- 長南洋一