[Tomoyo-dev 296] Re: TOMOYO 用 subversion レポジトリの作り方

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Tetsuo Handa from-****@I-lov*****
2007年 7月 17日 (火) 22:35:22 JST


 熊猫です。

 Subversion のレポジトリの使い方メールについて「投げやりだと感じる」という指摘を戴きました。

 また、共同開発について「やっぱり手伝って欲しくないように見える」という指摘を戴きました。

 投げやりにしているつもりは無いですし、手伝って欲しくない訳でもありません。

 すごい焦っていて、イライラが溜まっています。 TOMOYO プロジェクト始まって以来くらい、心の余裕が無いです。

 言い訳したくは無いのですが、どのような状況になっていたかを説明しておきたいと思います。
それから、「手続きが必要である」とは言っても、「NTTデータが悪い」とは言っていません。
NTTデータのことを悪く思わないでください。

 4月1日に、 TOMOYO Linux 1.4 をリリースしました。
その後、異動直後の慌しさの中、4月16日から21日までの
ELC2007 出張の準備を行い、サンフランシスコへ飛び出しました。
4月13日に、 TOMOYO Linux 1.4 までの argv[0] のチェック方法には
抜け道が存在していることが判明し、そのパッチを4月18日に作成しました。
日本に戻ってきてからすぐにバージョンアップをしたいと要望を上げましたが、
新しい部署ではまだルールが整備されていませんでした。
私の予想では5月上旬には TOMOYO Linux 1.4.1 をリリースできると思っていたのですが、
実際にはずっと先になりました。ルールが整備されるのを待っている間、
5月の上旬は Software Design 連載の原稿を書きながら、
5月7日にパス名の引き算に対応し、5月24日と6月3日にはバグフィックスを行いました。
そして、6月5日に TOMOYO Linux 1.4.1 をリリースしました。
(実際に決裁完了したのはもう少し前です。ゴロ合わせのために、
予想決裁完了日より数日先のキリの良い日を選びました。)
その翌日には、共同開発を行うための懸案事項を列挙したものを原田さん宛にメールしました。
同じ日に、 ThinkIT さんからのWeb 連載を引き受けることが決まりました。
6月11日には Software Design の連載の原稿を送り、並列して
ThinkIT さんの連載の原稿書き、 GUI エディタのリリース、 TOMOYO 2.0 の作成および
LKML へのアナウンスなど、神経の磨り減る日が続きました。
そして結局 TOMOYO Linux BoF の資料を作れないまま、
6月26日から7月2日までの OLS2007 出張のためにオタワへ飛び出しました。
そんな訳で、6月の間は全く開発をすることができませんでした。
オタワから戻ってきてすぐに Software Design の連載を書き始めたところ、
path_group と address_group を同時に使うと address_group を読み出せなくなるという
バグが判明し、7月4日に修正しました。
そして、バージョンアップをしたいと要望を上げましたが、
何日程度かかるか不明なため、リリース日を7月13日に設定してリリース準備を始めました。
(これも、私の我侭で決裁完了日ではなくその数日先のキリの良い日を選びました。)
元々7月中にリリースする予定が無かったので、バグフィックス以外の変更は行わないつもりでした。
7月10日には(既に決裁は完了していましたが)フックの掛け忘れが発見されたので
バグフィックスを行いました。
その他、リリースディレクトリの扱い( 1.4.1 のバグフィックスなのでダウンロード
ディレクトリも同じにしたほうが良いか否か)やドキュメントディレクトリの扱い
( 1.4.x の間はバグフィックスしか行わないのでディレクトリ名を 1.4.2 ではなく
1.4.x にした方が良いか否か)について武田さんと相談したり、 yum レポジトリの作成を試したり、
7月12日には TOMOYO の BoF に参加していただいた Stephen Smalley 氏と Chris Wright 氏に
TOMOYO について補足説明するためのメールを送ったりしました。
7月13日には「 /.init のプロンプトの変更が行われていないのは何故だ」との指摘を戴き、
その日のうちに変更を行って、7月13日の夜になってようやく TOMOYO Linux 1.4.2 をリリースしました。

 そんな中、「投げやりに見える」とか「いつまで放置しているのだ!結局一人でやりたいのか!」という
指摘を戴き、泣きたいくらい悲しくなりました。
そんなことありません。言い訳になりますが、ドタバタしすぎて共同開発を始めるための活動ができなかったのです。

 今日、原田さんと武田さんと私とで話し合い、6月6日に投げた懸案事項は
すっかり忘れ去られてしまっていたことが判明しました。
何名かは「既に Subversion に登録できるようになっているけど、登録しても良いの?」と
思われていたことと思います。私も同じ思いでした。しかし、懸案事項が解決していないので
「Nature's Linux カーネル用と Debian Sid カーネル用のパッチを Subversion に
登録してください」と言うことはしませんでした。
 それから、前の組織では頻繁なリリースを避けるために最低1ヶ月程度空けるようにしていましたが、
現在の組織ではリリースが連続することになっても構わないから心配しないで良いということが判りました。

 Stephen Smalley 氏とのメールのやり取りでは、
AppArmor との違いを示すことを求められていて、違いを見出すことができずに苦しんでいます。
TOMOYO の利点を上手く伝えることができずに、イライラしています。
OLS2007 は終わりましたが、現在も AppArmor との競争は続いています。
機能面では TOMOYO の方が勝っていると思いますが、 AppArmor は1年早く
OLS デビューしているため、ボヤボヤしていると AppArmor にメインラインの座を
奪われてしまうというのが現在の状況です。

 はやく落ち着きたいと願うばかりです。




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