KANOU Hiroki
kanou****@khdd*****
2005年 5月 11日 (水) 21:18:45 JST
狩野です。 ここ何日か取り組んでいた改造が一段落つきましたので報告します。 和田研フォントには、簡単な部品をを複数組み合わせることによって漢字を作る 概念があります。自動計算によって得た組合せの座標定義をエディタ上で手動で 調整できるようにすることを目標として、現在機能を追加中です。 幸いなことに、FontForge には参照という機能があり、現在ある編集機能だけで 部品の変形を取り扱うことができます。そこでとりあえず、ファイルへの書き出しと CLWFK の呼び出しによるアウトライン表示を実装してみました。 簡単な使い方を解説します。 (1) サンプルファイル sample.l を開く (2) エレメント(L)→フォント情報(F) の「一般」で、文字数を適当に増やす (3) 文字一覧の後ろのほうに追加された文字の 1 つを開く (4) 文字に名前をつける。文字編集ウィンドウからエレメント(L)→グリフ情報(I) を選び、ダイアログの [CLWFK] タブで、「プリミティブ名」に文字の名前を 入力します (日本語が使えます)。 (5) 文字一覧で使いたい部品を探し、マウスで選択して Ctrl-G を押します。 メニューから 編集(E)→参照をコピー(O) を選んでも同じです。 (6) 開いている文字編集画面に Ctrl-V でペーストする。点線の枠で囲まれた 折れ線で、参照している文字が表示されます。 (7) 枠の外をクリックすると選択が解除されます。部品を構成するエレメントの 線をクリックすると、そのエレメントが選択され、枠が再表示されます。 その状態だと囲み枠の辺や角をつまんでリサイズしたり、エレメントを マウスでつまんで (または矢印キーを使って) 移動したりできます。 (8) 最初の部品を貼り付けた直後には枠線が表示されていても選択されない ようです。これは FontForge のバグだと思います。いったん選択解除して また選択してやれば枠がつまめるようになります。 (9) 最初の部品の位置決めが終わったら次の部品を同じようにして貼り付けます。 (10) Ctrl-$, Ctrl-% で明朝・ゴシックのアウトラインを見ることができます。 (11) 細かい調整がしたい場合は、編集(E)→参照を解除(U) を選べば、今までと 同じ、折れ線の集まりからなる文字定義に変換されます。いちど参照を解除 すると、元には戻せませんのでご注意ください。 (12) 「ファイルの出力」でファイルを保存することができます。参照文字は、 以下のような形式で保存されます。 (defprimitive gothic 木米 '(joint '(#(0.579112 0.000000 0.000000 0.904485 164.567090 1.146173) #(0.571654 0.000000 0.000000 0.876963 3.855118 48.107344)) '(木 米) nil)) これはそのまま CLWFK の入力として処理することができます。 (13) ff+clwfk でこの形式を再読み込みする機能はまだ実装していませんが、最優先で やるつもりですので、しばらくお待ちください。 まだエラーチェックなどは簡単な物しか実装していませんので、何かおかしいことが ありましたらお知らせください。 狩野 宏樹 <kanou****@khdd*****>