長南です。 > ここ最近、やっぱり気になって、LDP man-pages の 5.10 へのアップグレードに伴う > fuzzy の解消を少しずつ進めていました。 > 単純は変更の解消は終わりました。 お疲れ様です。[JM:02121] のリストを見て、少しお手伝いしようと思ったのですが、 進行状態を見るたびに先に進んでいて、やりそびれてしまいました。まあ、怠け者は 怠ける理由を見つけ出すものだということでもあります。 > これを見ると、翻訳率を変更して 70% とかにするのは公開するのはいい妥協点 > のように見えます。60% は経験的には少し aggresive かも。 draft から release に回して公開するのを、翻訳率 80% 以上にするか、 70% 以上にするかということですね。それ以下は、英語版のみになる。 "THRESH = 70" にして "make translate" をやってみました。 感じとしては、翻訳率 80% 以上だと、「英語が混じっているなあ」で、80% 以下だと、 「英語の部分が随分あるなあ」ですね。でも、翻訳版があっても、英語版が読めなく なるわけではないのですから、翻訳率 70% から 80% は、おまけぐらいに考えれば よいのではないでしょうか。翻訳率 70% で公開に賛成します。 > > バージョン 3.79 と 5.10 の両方を公開して、どちらを利用するかは > > ユーザ (あるいは、ディストリビューションのパッケージマネージャー) > > に選んでもらうようには、できないのでしょうか。 > これは、手作業で tarball を公開するくらいなら手間が少ないかもしれませんが、 > それで意味のあるのかは分かりません。 > ユーザーの立場でいうと、複数バージョンが提示されても、 > どれを選べばいいかの基準がわからないと困るわけです。 > 複数バージョンとか古いバージョンを公開するなら、この辺は本当はちゃんと考えて > おかないといけません。さてどうするんでしょうね?見守ることにします。 ちょっと (いや、かなり) 長い理屈をこねます。 文章を読むときは、その言語の能力と文章の対象になっている分野の知識を使って、 文章を理解しているわけです。ですから、その分野の知識が豊富なら、外国語で 書いてあっても、かなりなところを理解することが出来ます。また、知らない分野の ことでも、自国語で書いてあれば (しかも、そこそこ上手にまとめられていれば)、 一通りのことが頭に入るでしょう。それでは、内容が知らない分野で、しかも 外国語で書いてあったら、どうなるか。読者としては、壁が二重になって、 何を言っているのかチンプンカンプンになるのではないでしょうか。プログラミングの 初心者が英語マニュアル (または、英語部分の多いマニュアル) に出会うのが、 それに当たると思います。熟練者にとって、マニュアルは内容が古くなっていたら、 役に立たない。場合によっては、有害なこともある。それは、そうでしょうが、 初心者は、新しい機能などは使わず、基本的な機能しか使わないでしょう。そして、 そうした機能は、あまり変化していないのではないでしょうか。古くても、すべて 日本語になっているマニュアルの値打ちは、そこにあります。たとえば、 strftime.3 のバージョン 3.79 と 5.10 の翻訳をくらべてみてください (5.10 の strftime.3 は翻訳率 76.10% なので、日本語版を見るには、 "THRESH = 70" で make する必要があります)。どちらが、プログラミング 初心者の役に立つでしょうか。 というのが、私の「古いマニュアル擁護論」で、最新の完訳バージョンは 残しておくべきだと思うのですが、それをどう公開するかは、難しいですね。 初心プログラマの目に触れやすくと考えれば、Web 上で読めるようにするべきで しょうが、私の手には負えないことですし、大部分の利用者にとっては、 どのバージョンを選択するのかが、鬱陶しいだけかもしれません。また、初心者の ために tar ボールにして、ダウンロードできるようにしておいても、彼らが 見つけてくれるとは、まず思えません。 ダウンロードページに、「この旧バージョンは完訳版だが、現在では内容が 古くなっているところがある」といった説明を付けて、置いておくぐらいでしょうか。 たぶん、利用するものがなく、「完訳版を必要としている人たちのことも、 一応考えていますよ」という、こちらの言い訳にしかならないでしょうけれど。 -- 長南洋一