長南です。 > ご指摘のとおり、コマンド実行による確認は、 > 必要に応じて試みることもします。 > ただし私にとって、絶対条件とは考えていません。 > このことをご承知おきください。私の翻訳スタンスです。 > 私自身は、コマンド実操作や理解の完遂に > 至らずとも、適度な状態で、未翻訳分をどんどん先に > 進めていくことを良しとする考えです。 かなり難解な表現をなさっているので、誤解しているかもしれませんが...。 「必要に応じて試みることもする」ではなく、「内容をきちんと理解して翻訳する。 そのためにもできるだけ実際に動かしてみる」を原則にすべきところではありませんか。 もちろん、それは建前で、現実には、動作の確認を省略してよい場合が多くてもです。 読者の立場になってみてください。翻訳が間違っていたり、曖昧だったり、 実際の動作とは違っていたりしたら、読んでも役に立たないでしょう。 むしろ、困るのではありませんか。 できるだけ新しい翻訳マニュアルを増やしたいと考えていらっしゃるのは、 わかります。また、そういう考え方も理解できます。しかし、実際の動作と 違うような記述がいくつもあったら、読者の信用を失ってしまいます。 ひいては、JM のマニュアルは一般に信用できないと考えられないともかぎりません。 # ちょっと脱線すると、昔、ソフトバンクが出していた C のマニュアルの # 翻訳書を読んだことがあります。あまりにも翻訳がひどかったので、 # 抗議のはがきを出したものです。それ以来、この会社はよい製品を作ることには # 関心がないのだと、ソフトバンクという会社全体を信用しなくなりました。 # 「坊主憎けりゃ」みたいですが、読者というのはそうしたものです。 原文の意味がよく取れなかったり、複数の解釈が可能だったり、動作に疑問点が あったりするとき、実際に動かしてみるのは、翻訳をする上で必要不可欠な 手続きだろうと思います。現実には、そうした問題があるのに気が付かなかった、 それゆえ動作の確認をしなかったという場合が多いのが、難しいところなんですが。 もちろん、常に正確・完璧な翻訳をせよ、と言っているのではありません。人間が やることですから、間違いがあるのは当たり前です。しかし、間違いが許されるのは、 できるだけよいものを作ろうと努力しているときのことでしょう。そうしていたって、 間違いは必ず出てくるものなんですから。 翻訳というのは、外国語を日本語にすることではありません。外国語で書いてある 内容を日本語で書き直すことです。内容が対応していなければなりません。 そこに留意して翻訳するかどうかが、機械翻訳と人間のする翻訳の違いでしょう。 (実際の動作と言った) 内容の対応に神経を使わないのならば、人間が翻訳する意味も 値打ちもないのではないでしょうか。マニュアルは英語だけにしておいて、 「日本語への翻訳が必要なら、各自、機械翻訳を利用してください」ですむことに なりかねません。 そうしたことは全ておわかりになっていて、上に引用したメールの文章が過激なのは、 言葉の勢いに過ぎないのでしょうけれど。 -- 長南洋一