sawarabi-gothic (20161015) | 2016-10-15 23:37 |
sawarabi-mincho (20220815) | 2022-08-15 20:14 |
このページでは、GNU/Linux システムにさわらびフォントをインストールする方法と、GNU/Linux で利用する場合のおすすめ設定について説明します。
この項では GNU/Linux システムを対象に、さわらびフォントのインストール方法を説明します。と言っても、さわらびフォントのファイル形式は、一般的な Windows 用 TrueType フォントと同じです。ですので、Windows や Mac OS X でも普通にインストールしてご利用いただけます。zip もしくは tar.gz ファイルをダウンロードして解凍し、得られた ttf ファイルをそれぞれの OS で用意されている方法でインストールしてください。
GNU/Linux の場合も事情は全く同じで、特別なインストール方法があるわけではありません。ふつうにインストールすればよいだけです。ですので、すでに GNU/Linux でのインストール方法は知っていますという方は、読み飛ばしていただいて全く問題ありません。
では、GNU/Linux でのインストール方法を説明します。
まず、ダウンロードするファイルですが、最近のさわらびフォントは、deb パッケージや rpm パッケージも用意してもらえるようになりました。Debian や Ubuntu 等を使っている方は deb パッケージ、Fedora や CentOS、Vine Linux 等を使っている方は rpm パッケージからインストールするのがお勧めですので、それぞれシステムに合ったパッケージをダウンロードしてください。
なお、rpm パッケージはソースも公開されています。ファイル名が src.rpm で終わっているのがソースです。このソースは rpm パッケージを作成するためのものですから、フォントのインストールをしたいだけの方にとっては特にダウンロードする必要のあるものではありません。
deb パッケージや rpm パッケージが利用できないディストリビューションの場合は、zip もしくは tar.gz ファイルをダウンロードしてください。
システムによっては、deb ファイルをダブルクリックすると GUI のインストーラが立ち上がります。この場合、このツールを使ってインストールするのが楽でしょう。 インストーラが立ち上がらない場合(システムによってはアーカイバなど別のアプリケーションが立ち上がる場合もあります)や、コマンドがお好きな場合は、ターミナルなどからコマンドラインでインストールします。この場合、おおよそ次のような感じのコマンドでインストールできます。
$ sudo dpkg -i <deb ファイルの名前>
「<deb ファイルの名前>」の部分には、ダウンロードした deb ファイルの名前が入ります。ファイル名がたとえば「ttf-sawarabi-gothic_20090320-1_all.deb」であれば、それがそのまま入力されていれば OK です。なお、このコマンド例では sudo コマンドで管理者権限を取得していますが、もちろん su などを使ってもかまいません。
ちなみに、アンインストールする場合は
$ sudo dpkg -r <deb パッケージ名>
という書式になります。たとえば、さわらびゴシックをアンインストールしたい場合であれば、
$ sudo dpkg -r ttf-sawarabi-gothic
で OK です。
最近の多くのシステムでは、rpm ファイルをダブルクリックすると GUI のインストーラが立ち上がると思います。この場合、このツールを使ってインストールするのが楽でしょう。 インストーラが立ち上がらない場合や、コマンドの方が好きな場合は、ターミナルなどからコマンドラインでインストールします。この場合、次のような要領のコマンドでイントールすることができます。
$ sudo rpm -ivh <rpm ファイルの名前>
「<rpm ファイルの名前>」の部分には、ダウンロードした rpm ファイルの名前が入ります。ファイル名がたとえば「sawarabi-gothic-fonts-20090501-1.fc11.noarch.rpm」であれば、それがそのまま入力されていれば OK です。なお、このコマンド例では sudo コマンドで管理者権限を取得していますが(このコマンドは特別に設定しないと使えないかもしれません)、もちろん su などを使ってもかまいません。
パッケージをアップグレードする場合は、
$ sudo rpm -Uvh <rpm ファイルの名前>
アンインストールする場合は、
$ sudo rpm -e sawarabi-gothic-fonts
で OK です。
deb パッケージや rpm パッケージが使えないディストリビューションの場合は、zip もしくは tar.gz をダウンロードしてください。多くのシステムでは、ダウンロードしたファイルをダブルクリックするだけで GUI のアーカイバが立ち上がりますので、簡単に解凍できると思います。 なお、コマンドラインから解凍を行う場合は、zip では
$ unzip <zip ファイル名>
tar.gz では
$ tar zxf <tar.gz ファイル名>
で解凍できます。なお、「<zip ファイル名>」「<tar.gz ファイル名>」の部分には、それぞれのファイル名が入ります。
GNU/Linux の場合、(おそらく多くのディストリビューションでは)通常フォントは /usr/share/fonts ディレクトリ以下にインストールされますが、ここにファイルを置くには管理者権限が必要ですし、(権限まわりを含めて手順を説明するのが?)あまり手軽ではありません(それにこうしたところには原則的にパッケージ管理システムを通してインストールするのが、すでに流儀となっているとも言えるのかもしれません)。そこで、ここではもっと簡単な方法を紹介します。それはホームディレクトリに .fonts ディレクトリを作り、そこにフォントファイルを置くという方法です(これだけでフォントのインストールは完了するのです)。この場合、そのフォントはそのユーザだけが使うフォントになりますが(他のユーザは使えません)、個人用のマシンとして使っている方などであれば、別に不利益はないでしょう。
GNOME 上で上記のインストールを行う場合、手順は次のようになります。
これでフォントのインストールは完了です。
GNU/Linux システムでは、たいていの場合、フォントを画面上に描画する際に「ヒンティング情報」というものを使うように設定されています。 一般に英字フォントなどでは、ヒンティング情報を利用したほうがクリアな表示になり、読みやすくなりますが、さわらびフォントの場合、これを利用しないほうが綺麗になります。
ヒンティング情報をどの程度利用するか(あるいはまったく利用しないか)は、GNOME にあらかじめ備わっている、外観の設定ツールでも設定できますが、これで設定するとその設定値はフォント全般に影響を及ぼします。 つまり、普通に英字フォントなどを併用している場合、英字フォントのほうも、その設定値でレンダリングされてしまうということです。ですので、このツールでヒンティング情報を無効にすると、それはさわらびフォントを綺麗に表示させますが、同時に英字フォントの読みやすさを(若干)損なってしまうことになります。
しかし、これをうまく解決する方法があります。それは設定ファイルを記述して、フォントごとに個別の設定をほどこす、という方法です。/etc/fonts/ ディレクトリ以下にそうした設定ファイル群がありますので、ここに設定ファイルを追加して記述してもよいのですが、ここではもっと手軽に行える、ユーザごとの設定方法を紹介します。
ユーザごとに設定する場合、ホームディレクトリ直下に .fonts.conf というファイルを記述します。ファイルの内容は次のような感じになります。
<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "file:///etc/fonts/fonts.dtd"> <fontconfig> <match target="font"> <test name="family"> <string>Sawarabi Gothic</string> </test> <edit name="hinting" mode="assign"> <bool>false</bool> </edit> </match> <match target="font"> <test name="family"> <string>Sawarabi Mincho</string> </test> <edit name="hinting" mode="assign"> <bool>false</bool> </edit> </match> </fontconfig>
これで、さわらびゴシックとさわらび明朝は、自動的にヒンティングがオフになります。他のフォントには影響を及ぼしません。
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LastUpdate: 2010-03-07 16:33:58, ModifiedBy: mshio
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